自賠責保険の加入方法と保険金請求

加入が義務付けられている自賠責保険ですが、どのような手続きをすれば加入できるのしょうか?また交通事故に遭遇し加害者や被害者となった場合どのように自賠責保険を請求すればいいのでしょうか?車種や目的による保険料の違いや、未加入の場合にどんな罰則を受けるのかを解説しています。また補償金はどのタイミングで支払ってもらえるのか、示談や裁判が長引くといつまでも払ってもらえるかどうかについて解説しています。

自賠責保険の加入、更新方法

自賠責保険に加入するにはいくつかの方法があります。まず自分で直接申込みを行うには保険会社に申込みの連絡をしたり、また保険代理店や郵便局、JAや労災などの共済組合でも手続きを進めることができます。自動二輪や原付は保険会社だけではなくコンビニでも自賠責保険に加入することができます。

自動車の場合は、車検の際に同時に自賠責保険の更新手続きを行ってくれるのが一般的です。ただ、250cc以下のバイクや原付は車検がないので、自賠責保険の期限切れていないか定期的に確認するようにしましょう。

新車購入時に自賠責保険へ加入

自賠責保険の保険料

自賠責保険の保険料は車種と使用目的によって異なります。自家用、営業用、バイクと3つの使用目的に分けられ、それぞれ加入期間ごとに保険料が定められています。自賠責保険の保険料はどの保険会社でも共済でも同じ金額になっています。

<自家用・自賠責保険の金額早見表>平成25年(2013年)

契約
期間
自家用
乗用車
軽自動車 小型貨物
自動車
普通貨物
自動車
検査
対象車
検査
対象外車
最大積載量
2トン以下
最大積載量
2トン超
12ヶ月 16350円 15600円 9510円 17270円 24040円 35730円
13ヶ月 17310円 16500円 18310円 25630円 38270円
24ヶ月 27840円 26370円 14920円 29680円 43090円 66220円
25ヶ月 28780円 27240円 30690円 44640円 68720円
36ヶ月 39120円 36920円 18970円
37ヶ月 40040円 37780円

<営業用・自賠責保険の金額早見表>平成25年(2013年)

契約
期間
小型貨物自動車 普通貨物自動車
最大積載量2トン以下 最大積載量2トン超
12ヶ月 29920円 34650円 49900円
13ヶ月 31990円 37110円 53600円
24ヶ月 54730円 64100円 94300円
25ヶ月 56760円 66500円 97930円

<バイク・原付の自賠責保険の金額早見表>平成25年(2013年)

契約
期間
原動機付自転車
125cc以下
125cc超
~250cc以下
250cc超~
12ヶ月 7280円 9510円 9180円
13ヶ月 9550円
24ヶ月 9870円 14290円 13640円
25ヶ月 14010円
36ヶ月 12410円 18970円 18020円
37ヶ月 18380円
48ヶ月 14890円 23560円
60ヶ月 17330円 28060円

自賠責保険の未加入による罰則

自賠責保険は交通事故で被害を受けた人を救済するという目的のために作られた制度です。そのため、車やバイクを運転する人には加入が義務付けられており、未加入の人に対する厳しい罰則が設けられています。

  1. 未加入もしくは期限切れ → 1年以下の懲役または50万円以下の罰金+違反点数6点による免許停止処分
  2. 加入証明書の不携帯 → 30万円以下の罰金

自賠責保険は加入するだけではなく、加入していることを証明する「加入証明書」の携帯も義務付けられています。自動車の場合はダッシュボードの中に入れたまま携帯されている方も多いですが、収納するスペースがないバイク・原付の場合は常にカバンなどに入れて携帯するように気をつけましょう。

任意保険の保険金への影響

自賠責保険に未加入のままで運転による事故を起こした場合、任意保険の保険会社からは自賠責保険の限度額を超えた分しか保険金を支払ってもらえません。

例えば死亡事故で加害者となり慰謝料などの賠償金額が1億円となった場合は、自賠責保険で補償される3000万円を差し引いた7000万円が補償対象の金額となります。補償されない3000万円は自分の資金で支払わなければなりません。

国土交通省からの賠償請求

自賠責保険の未加入者が引き起こした事故の被害者は、加害者が未加入という理由で被害者請求することはできないのでしょうか。もし被害者請求できないということになると被害者が泣き寝入りすることにもなりかねないので、政府保障制度というものが設けられています。

政府保障制度とは被害者の救済を図るために損害の補てんを行う制度であり、損害の範囲および、保険金の限度額は自賠責保険の基準と同様になっています。この場合、被害者から保険会社や共済組合を通して国に保険金が請求されることになりますが、あくまで未加入の加害者による賠償を肩代わりしているだけです。

被害者への保険金が支払われた後に、国土交通省から加害者に対して保証金の賠償請求が行われることになります。結局は同じ金額を支払うことになりますので、必ず自賠責保険には加入するようにしましょう。無料で利用できる保険相談サービスの中には、自賠責保険の加入や民間の任意保険の取り扱いもしているところもあるので、保険についてトータルで見直したい方は一度相談されることをおすすめします。

加害者請求

自賠責保険の請求方法には「加害者請求」と「被害者請求」の2つがあります。どちらも加害者が加入している自賠責保険を取り扱っている保険会社に請求することになります。手続き書類を保険会社から入手し、必要事項を記入し必要書類を添付して手続きを進めます。

自賠責保険では過失の割合に関わらず死傷させた側の人間が「加害者」となりますが、加害者が保険会社に対して補償金の請求を行うのが加害者請求です。

加害者がすでに被害者に賠償金を支払っていることが前提となっており、慰謝料や治療費などの賠償金を受け取ったという領収書が必要になります。また原則として当事者間で示談が成立していることが必要ですが、実際は被害者の保険会社と加害者が示談交渉を行うことになります。

加害者請求には時効があり、原則として被害者に賠償金を支払った翌日から2年を過ぎると時効が成立します。示談をすでに済ませているということが前提となっているので、最終的な賠償金が決定次第、保険会社に対して早急に請求の手続きを行うようにしましょう。

被害者請求

反対に被害者が自賠責保険の請求を行うことを被害者請求といいます。加害者に賠償金の支払い能力が無かったりする場合、加害者が加入している自賠責保険の取扱い保険会社に直接保険金の支払い請求をすることができます。
被害者救済を目的としている自賠責保険の特徴の1つではありますが、加害者請求と同様に時効が存在しているので注意が必要です。

  • 死亡した場合 → その翌日から2年
  • ケガをした場合 → その翌日から2年
  • 後遺障害があった場合 → その障害が長期的に続くと認められた日の翌日から2年

仮渡金とは

自動車事故にあい被害者となった場合を想定すると、心配するのは治療費として支払われる自賠責保険の補償金についてです。簡単なケガで済んだ場合は治療費や通院費などは建て替えておいて、あとで請求するという方法も考えられます。

しかし大きなケガを負ってしまい長期間の入院を余儀なくなり手持ちのお金が無くなってしまったり、また交通事故の加害者が過失を認めず自賠責保険の保険金支払い手続きに応じてくれなったりするケースも少なくありません。

そういった場合に対応できるように、補償金額が確定するまでに当面の出費を請求できるように「仮渡金(かりわたしきん)」の制度が設けられています。

以前は通院や入院などによって長期間にわたる治療が必要になった場合に請求できる「内払金(うちばらいきん)」制度がありましたが、平成20年に廃止されており現在は仮渡金のみとなっています。

仮渡金の請求方法

ケガの治療費や被害者が死亡した場合は葬儀費など、当面の出費に充てるために仮渡金を請求することができます。最終的な補償金は仮渡金を除いた残額となり、また加害者に過失責任がないと認められた場合は仮渡金の返還が必要です。

仮渡金を請求するためには以下の条件を満たしている必要となります。

  • 加害者から賠償金の支払いを受けていないこと
  • 医師による「仮渡金の診断書」と「請求書」が必要
  • 仮渡金の請求は1回のみで、複数回請求することはできない
死亡 290万円
傷害 入院14日以上かつ治療30日以上を要する場合
大腿または下腿の骨折などの傷害
40万円
入院14日以上または入院を要し治療30日以上を要する場合
上腕または前腕の骨折などの傷害
20万円
治療11日以上を要する場合(上記傷害に該当する場合を除く) 5万円

仮渡金の請求に必要な書類

請求に必要な以下の書類を用意して、保険会社で手続きを行えば仮渡金の請求となります。条件や書類などに不備がなければ請求後約1週間ほどで仮渡金が支払われます。

  1. 仮渡金支払請求書
  2. 交通事故証明書
  3. 事故発生状況報告書
  4. 医師の診断書または死体検案書(死亡診断書)
  5. 印鑑証明書
  6. 事故発生状況報告書
  7. 委任状(被害者本人が請求できないとき)

参考リンク
・国土交通省:政府保障制度

自賠責保険の加入と保険料、罰則のまとめ

  • 自賠責保険の申込みは保険会社や代理店などで行うことができる
  • 保険料は車種と使用目的、契約期間によって異なる
  • 自賠責保険の未加入者に対して厳しい罰則が設けられている
  • 未加入者が起こした交通事故に対する任意保険の保険金は、自賠責保険で支払われる金額を差し引いた金額となる
  • 自賠責保険の請求方法には加害者請求と被害者請求の2種類がある
  • 加害者が賠償額の支払いに応じてくれない場合などは被害者から保険金の請求をすることができる
  • 仮渡金の請求には必要な条件を満たし、かつ証拠書類の提出が求められる