自動車保険の特約

2018年7月14日

自動車保険の特約にはどのようなものがあるのでしょうか?それぞれの特約の特徴や付帯する上での注意点などについて解説しています。

自動車保険の特約とは

自動車保険にはさまざまな特約がありますが、基本となる補償に加えて特約を付帯させることでわずかな保険料で手厚い補償を受けることができます。同居されている家族がいる方には子供追加特約や個人賠償責任特約、大切な車の補償を手厚くされたい方には車両新価特約や車両全損修理時特約がおすすめです。

代理店で自動車保険に加入する場合は、担当者が必要に応じておすすめの特約を薦めてくれることもありますが、通販型(ダイレクト系)で自動車保険に加入する場合は自分で必要な特約と不要な特約を見極めて契約をする必要があります。

自動車保険の特約の種類

保険会社によって取り扱っていない特約もありますが、代理店型・ダイレクト系を問わず一般的に以下のような特約があります。

特約 補償内容
ファミリーバイク特約 125cc以下のバイクまたは50cc以下の原付を運転している際の補償
弁護士費用特約 弁護士が相手方との示談交渉を代行
他車運転危険担保特約 他人の車を借りて運転して事故を起こした場合に運転手が加入している自動車保険から保険金が支払われる
車両全損修理時特約 修理代が評価額を超える場合(全損)、その不足分を補償してくれる
車両新価(新車取得費用担保保険)特約 新車の価格相当の再取得費を目的に保険金が支払われる
対物全損時修理差額費用(対物超過)特約 時価(評価額)を超える損害不足分を補償
車内身の回り品担保特約 車に積んでおいた日用品の故障、盗難による損害を補償
ペット補償特約 運転中にペットを乗せていた場合のケガを補償
ゴルフ特約 プレー中のケガや第3者への損害補償
個人賠償責任(自転車)特約 自動車の運転中以外の対人・対物補償
地震・噴火・津波特約 地震・噴火・津波による損害も補償

自動車保険の特約には以上のようなさまざまな種類があり、無料で付帯できるものもあれば保険料が大幅にアップする特約もあります。

新車を購入した家族

ファミリーバイク特約

ファミリーバイク特約とは、125cc以下のバイクまたは50cc以下の原付を運転している際に事故に遭った場合、発生した損害や自分自身へのケガなどに対する補償を行ってくれる保険です。保険の対象となるのは本人だけに限らず同居している家族にも及びますので、同居している家族が原付やバイクを乗る場合はファミリーバイク特約をつけるのがおすすめです。また自動車保険とは異なり保険の対象となるバイクは特定しないので、例えば友達のバイクを運転中に事故に遭った場合でもファミリーバイク特約の補償対象となります。

ファミリーバイク特約の補償内容は、加入している自動車保険の対人・対物補償、人身傷害保険と同じ補償内容となっています。例えば、対人・対物が無制限、人身傷害補償が5000万円であるならば同じ補償内容になります。またこの特約の保険料は等級による影響を受けないので、低い等級の人が付帯させても大きく保険料が上がることはありません。

保険料は保険会社によって多少異なりますが、人身補償がついているもので17000円程度、人身補償がないもので7000円程度となっています。運転手の年齢が若く等級が低い運転手がバイク保険に単体に加入するよりも保険料は安くなるので、同居している高校生のお子さんが原付を乗る場合などはファミリーバイク特約はお得です。ファミリーバイク特約には人身傷害型と自損事故型の2種類のタイプがあり、人身傷害型はこちらの過失の割合に関係なく損害額を補償してくれます。

弁護士費用特約

弁護士費用特約とは保険加入者が運転中に交通事故に遭った場合に、弁護士に依頼して相手方との示談交渉を代行してくれるものです。交通事故の種類によって保険会社が示談交渉を代行できないケースがあります。それは自分に過失がなく相手が過失100%の場合の交通事故です。この場合はこちらが加入している保険会社から保険金が出ることはなく、相手方の保険会社または相手の自腹から損害賠償額を支払ってもらう形になります。

相手がこちらが要求した損害賠償額を素直に支払ってくれれば問題ありませんが、交通事故の示談交渉は専門家でないと証拠集めや立証などはとても難しく、また交渉は時間も取られ面倒なものです。このような場合に役立つのが弁護士費用特約です。弁護士が保険加入者の代わりに相手方と示談交渉を代行してくれるので、こちらは手を煩わせることなく交渉を任せることができます。実際には弁護士費用や訴訟費用などに対して300万円を限度として保険会社から支払われることになります。

また保険会社によっては家族の交通事故や交通事故以外の日常生活のトラブルなどにも補償の対象に含めているところもあります。反対に交通事故の大きさによって特約の保険金が下りない会社もあるので、特約を付帯させる際にはどのようなケースで適用されるのか確認しておきましょう。

他車運転危険担保特約

他車運転危険担保特約とは、他人の車を借りて運転して事故を起こした場合、その損害賠償について借りた車にかけられた保険に優先して運転手が加入している自動車保険から保険金が支払われる特約です。

例えば運転手Aが友人Bの車を借りて事故を起こした場合、友人Bが所有している車にかけている任意保険を使えば保険金が下りますが、保険を使えば等級も下がりますし友人Bに迷惑をかけてしまいます。このような場合に、運転手Aが加入している自動車保険を使って損害賠償金を支払うのが他車運転危険担保特約です。通常は任意保険に加入していれば自動的に付帯されます。

たこの特約の補償内容は運転手が加入している自動車保険の補償内容が適用されることになります。対人・対物補償は特約を付けている保険の補償内容で、自損事故傷害は人身傷害保険を付けていない場合は自損事故傷害保険が適用されます。

車両無過失事故特約

運転中に他人が運転する車にぶつけられ車が壊れてしまった場合、こちらにまったくの過失が無ければ相手にその損害の100%を請求することができます。もし相手が任意保険に入っていない場合、自賠責保険では対人のみにしか補償が及びませんので加害者が任意保険に入っていない場合の物損に対する補償は相手の資産から支払ってもらうことになります。任意保険の加入率は約7割強ですので、公道を走っている4分の1の車は任意保険に加入していません。示談交渉や訴訟に多大な手間や費用がかかってしまう上に、相手が支払いに応じてくれない場合はこちらが泣き寝入りしてしまわないといけません。

やむを得ずこちらが加入している車両保険を使って車を修理することは可能ですが、車両保険を使うと3等級ダウンしてしまうので保険料が高くなってしまいます。このように任意保険に未加入の車にぶつけられたような場合に役に立つのが車両無過失事故特約です。この特約が付帯されていると相手が100%過失の場合に限って等級をダウンさせることなく車両保険が使えます。基本的にどの保険会社でも車両保険に入っていれば車両無過失事故特約は自動的に付帯されます。

車両全損修理時特約

車両全損修理時特約とは、契約している車が事故に遭い修理が必要になった時、車両保険に設定している金額を修理代が上回った場合に不足分を補償してくれる特約です。通常、不足分の限度額は50万円までとなっています。

例えばAさんは保険金額を30万円に設定した車両保険に加入し、車両全損修理時特約も付帯させました。Aさんが保険対象の車を運転中に事故に遭い修理が必要となりましたが、修理代の見積りを出したところ50万円が必要だと言われました。

Aさんが車に愛着があり修理を希望する場合、車両保険から30万円+車両全損修理時特約から20万円の合計50万円が保険金として支払われることになります。廃車を希望する場合は車両保険から30万円のみが支払われることになります。

車両新価特約

車両新価特約とは、新車を購入して事故に遭い修理をせず新しく車を買い直した場合、契約している車の新車相当価格を補償してくれる特約です。ただし、修理代が車両保険に設定している補償額を上回る(全損)か、新車相当価格の50%以上であることが条件です。

例えばAさんが80万円で新車を購入し、車両新価特約をつけた車両保険に加入したとします。そして保険の対象となる車を運手中に事故を起こし車を大破させてしまいました。修理代を見積りしたところ50万円が必要だと言われたので、車両新価特約を利用して新しく車を買い直すことができました。この場合は車両保険として50万円、新車を購入する際に必要な30万円が車両新価特約として支払われることになります。

軽微な事故で修理代が30万円の見積りになった場合、新車の価格(新価)の50%以上にならないので車両新価特約は使えず、車両保険を使って修理することになります。この特約は初度登録年月から25ヶ月以内の新しい車を対象に付帯させることができます。

対物全損時修理差額費用(対物超過)特約

対物全損時修理差額費用(対物超過)特約とは、運転中の事故により相手の車や物を壊してしまった場合に備える特約です。このような場合、通常は対物補償により保険金が支払われることになりますが、対物保険は車の時価(評価額)までしか補償してくれません。

例えば事故を起こしてしまい、車両の修理代が150万円がかかると請求されました。時価が100万円の車であれば対物保険からは100万円が補償されることになります。しかし、不足分の50万円は自腹を切って賠償しなくてはなりません。

対物全損時修理差額費用(対物超過)特約をつけていれば、時価を超える修理代などに対して補償されます。対物保険で補償される保険金の不足額(差額)50万円を限度にして補償されるタイプと、無制限に設定されているタイプがあります。

車内身の回り品担保特約

車内身の回り品担保特約とは、車に積んでおいた荷物や携行品が事故で壊れてしまった場合にその損害額を補償してくれる特約です。事故により壊れてしまった場合はもちろん、保険会社によっては事故を伴わない故障にも対応してくれるところもあります。

例えば、スキー旅行へ向かう途中に事故に遭い、車に積んでいたスキー用品が壊れてしまったとします。このような場合にスキー用品の時価(評価額)に対して特約から保険金が支払われます。また旅行中に車内に載せていた物が盗難に遭った場合でも補償されます。

この特約では、個人が所有する日用品を対象として補償される特約になっています。そのため、販売・営業を目的として使う品物に関しては補償の範囲外となっているので注意が必要です。例えば、宝石・貴金属、植物・動物などは補償されません。

ペット補償特約

ペット補償特約とは、保険をかけている車にペットを載せて運転中、事故によってペットが死傷した場合に定額の治療費などの保険金が支払われる特約です。記名被保険者がペットと同時に死傷した場合にのみ適用されます。

例えばペットを載せて車で旅行中に事故に遭い、助手席に乗せていた犬が亡くなってしまいました。この時運転していた被保険者が無傷であった場合、ペットが亡くなった場合でも葬祭費用などの保険金が支払われることはありません。

保険会社によってはペットプラス、ペット補償担保特約、くるまるペットくんなどの特約名で販売されているところもあります。ペット補償特約の補償内容は保険会社によって設定が異なるので事前に確認しておきましょう。基本的にペットがケガをしたり亡くなった場合に補償が受けられます。

ゴルフ特約

ゴルフ特約とは、ゴルフプレー中の第3者へのケガやホールインワン時にかかる費用などを補償してくれる特約です。例えば自分が打ったボールを先に回っていた方の後頭部にぶつけてしまい、残念ながら重い後遺障害を負ってしまいました。このような場合、設定していた保険金額を限度にして賠償金を保険金から支払われるので安心です。

この特約では、プレー中の自分自身のケガ、損害賠償、ゴルフ用品の損害、ホールインワン・アルバトロス費用を補償するものが一般的です。またゴルフ保険単独で加入するより、自動車保険の特約としてつける方が保険料が安くなります。

個人賠償責任特約

個人賠償責任特約とは、運転中以外の事故によって他人を死傷させたり、他人の所有物に損害を与えた場合に保険金を支払ってもらえる特約です。保険会社によっては自転車の運転中にのみ補償範囲を絞っているところもあります(自転車特約)。

例えば、自転車を運転している時に不注意で他人が運転する自転車とぶつかってしまいました。自転車を運転していた相手が入院が必要なケガを負い、また相手の自転車も全損して修理が不可能となってしまいました。このような場合に個人賠償責任特約を自動車保険に付帯させておくと手厚い補償が受けられるので安心です。

この特約の補償内容は、対人・対物補償を無制限に設定しているところがほとんどですので、賠償額が大きい事故にも対応できるのが大きなメリットです。また、保険会社によっては示談交渉代行サービスも付いているところがあるので安心です。

地震・噴火・津波特約

地震・噴火・津波特約とは、契約対象の車が特定の自然災害によって損害を受けた場合に、一定の金額の保険金が支払われる特約です。自然災害の種類は基本的に地震・噴火・津波に限られていますが、保険会社によって補償範囲が異なります。

今までは住宅の火災保険に付帯させる保険として地震保険が有名でしたが、東日本大震災以降、自然災害による損害から資産・家財を守るという意識が高まり、自動車保険の特約に地震・噴火・津波による補償を付帯させる加入者も増えてきました。

この特約の補償内容は、地震・噴火・津波によって車両が損害を受けた際の修理費用、全損した場合は一定の保険金額が支払われます。また、保険会社によってはこれらの自然災害によって運転中に被保険者が死傷した場合に保険金が支払われるところもあります。

参考リンク
・損保ジャパン日本興亜:「主な特約一覧と補償内容

自動車保険の特約のまとめ

  • わずかな保険料をプラスすることによって手厚い補償を増やすことができる
  • 適用条件や補償内容は保険会社によって違うので、事前に確認することが大切
  • 生命保険やクレジットカードでも同様の保険に加入していることがあるので、補償が重複していないかチェックする